オリンピックまでに体操を見れる人を増やしたい! 平行棒編

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今回は、「平行棒」です。
「平行棒とは?」
平行棒(へいこうぼう)は、平行棒種目で使用する器具の名称と、それを使った種目の名称です。
平行棒種目は、演技者が実施を行い、審判が採点します。
一部力技や静止技が実施されますが制限は厳しく、基本的には2本の棒を使って振動技や旋回技などダイナミックな演技が行われます。
「平行棒のかたち」
平行棒種目で使用される平行棒とは、鉄棒で使用されるよりものよりもよくしなり軟らかく太い棒を、200cmの高さに水平且つ平行に配置したものをいいます。通常、この2本の棒は木製ですが、合成素材のものも作られています。
「競技の概要」
体操競技の中で男子のみで行われる種目です。
平行棒種目は団体・個人総合で行われるほか、種目別でも単独で行われています。
その基礎的難度の高さから、ジュニア・学生の大会や規模の小さい大会では行われないことも多いです。
演技は平行棒にぶら下がったところから始まり、終末技で着地するか、演技者が途中で棄権するまで行われます。
この際、片方の棒に両手でぶら下がるか、別々の棒に片手ずつをかけ棒の間にぶら下がるかは自由です。
平行棒にぶら下がった時点から演技が開始します。この際自力で飛びつくのは無論のこと、ロイター板や補助者の助けを借りることも許されています。
演技終了は着地動作を完了した時点となり、着地時に静止できず足を踏み出したり転倒した場合は減点対象となります。
「技と採点」
ただ棒上で回ったり倒立したりするのではなく、平行棒上で技を行います。
非常に多くの技があり、認められている技には難度が設定されています。
体操競技の採点は、基礎実施点等に、難度に応じて加えられる点である難度加点を加えた演技価値点(Dスコア)から不完全な技の減点を引いたもの(Eスコア)の合計が得点とされるため、いくら美しい演技をしても難度の低い技ばかりでは、結果としていい点が出ないことになります。
「技の種類」
技は数え切れないほど多くの技がありますが、系統立てると以下のようになります。
「両棒での支持振動技」
棒を握り、棒間で両腕を棒状に立てるように体を支持し、振動を行う技です。ツイスト(棒上前振り半ひねり倒立支持)やモリスエ(棒上後方かかえ込み2回宙返り腕支持、D難度)などがあげられます。
「腕支持振動技」
棒を握らず腕を棒上に置いて棒間で体を支持し、振動を行う技。
ドミトリエンコ(腕支持から前振り上がり後方かかえ込み2回宙返り腕支持、E難度)などがあげられます。
「両棒での懸垂振動技」
棒を握り、両棒の下で振動を行う技で、いわゆる車輪系の技です。
タナカ(懸垂前振りひねり前方2回宙返り腕支持(ベーレ1/2ひねり)F難度)などがあります。
「力技」
静止状態から、振動を伴わずに別の静止状態に移行する技です。
脚前挙からの倒立等があります。
「静止技」
振動から静止状態に移行する技。あるいは一定時間静止を保持する技です。脚前挙や上水平があります。
「旋回技」
あん馬種目のように両棒もしくは単棒上で旋回を行う技。
「横向き単棒技」
鉄棒競技のように、単棒を両手で握って振動を行う技。
「終末技」
平行棒から手を離し、着地して演技を終了するための技。国際ルールにおいては、終末技にC難度以上の業を用いなければなりません。これは下り技とも呼ばれており、足以外で着地する技は禁止されています。
「禁止行為」
禁止行為を行った場合の多くは減点または失格となります。
「器具からの落下」
平行棒からの落下には1.0の減点が科せられます。30秒以内であれば演技を再開することが出来ますが、失敗した技は加点対象にならない上、失敗した技を再度行って成功しても、採点上成功とはみなされません。
「難度表に載っていない技の実施」
力技と静止技については、難度表に載っている技以外の実施が認められず、減点の対象になります。
基本的ルールとして静止すること自体が減点の対象になるのであり、この種目の難度表に載っている静止技は例外的に認められているに過ぎなません。
また、振動する技を実施中に止まってしまった場合も減点の対象となります。
「不正な終末技」
終末技はC以上の難度でなくてはならない。また、終末技を行わないのも同様である。終末技はC難度以上の技を実施するだけで0.3の加点が与えられるので、終末技を行わないと実質的に0.3の減点となります。
また、棒に対して平行な向きで着地しなければならず、足以外で着地する技も禁止されています。
「接触してはいけない部位」
手または腕以外の体の部位で支持してはいけない。また、足がマットに触れたり、平行棒や支えている柱に触れても減点となります。
「平行棒の位置付け」
ここ数十年の体操競技のルール改正を振り返ってみると、全般的に振動技重視で、この種目でも例外なく静止技が制限され始めている。
ルール改正のたびに静止技・力技の制限が厳しくなり、止まらない、流れの良い演技が評価されるようになっています。
その一方で、単棒で行われる技も評価が低くなりつつあり、鉄棒との差別化が保たれています。
「平行棒の見どころ」
ダイナミックな振動宙返り系の技と、振動からひねりを加えて倒立を決める技が見どころになります。
日本人選手では、田中佑典選手や内村航平選手が得意としています。
田中佑典選手は、マクーツ(前振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手を換えて片腕支持3/4ひねり支持、E難度)やシャルロ(棒下宙返り単棒倒立、E難度)などを実施します。全般に脚の線が非常に美しいのが特徴です。
内村航平選手は、振動宙返り系のモリスエ(棒上後方かかえ込み2回宙返り腕支持、D難度)やベーレ(懸垂前振り後方かかえ込み2回宙返り腕支持、D難度)やドミトリエンコ(前振り上がり後方かかえ込み2回宙返り腕支持、E難度)など、とにかく平行棒の上をピョンピョン跳ね回るダイナミックな動きの演技をしています。
最近では、白井健三選手もおり技に前方抱え込み2回宙返りひねり降り、F難度を入れるなど、オールラウンダーへの道を歩んでいったりしているので、平行棒も目が離せませんね。
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