北朝鮮経済制裁がきかないのはなぜ?

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北朝鮮になぜ経済制裁がきかないのか?今回は、その理由について考えてみましょう。
北朝鮮が経済制裁に耐えてでもやりたいこと
11月29日、北朝鮮が「核武力完成」を宣言した。
北朝鮮は同日未明に行った新型のICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星15型」の発射実験に成功したとし、「目標とするミサイル体系の完結版」と豪語した。
「火星15型」の最高高度は4000kmを超え、飛行距離は950kmと観測された。これは通常の角度で打てば1万3000km以上となり、米国本土にまで到達すると推算されている。
マティス米国防長官は、「世界最大の脅威」とし、各国もすぐに制裁強化などの強い態度を表明した。
ところが、12月12日、「前提条件なしで北朝鮮と対話する用意がある」とティラーソン米国務長官が発言し、国際社会は騒然となった。
アメリカ国内でも意見の違いがある事が明るみにでたかたちになりました。ここで登場するのが二つの大国です。
中露はすぐに「歓迎」の意を表したが、韓国ではこのティラーソン発言をめぐり、戸惑いが広がった。
慶南大学の金根植教授は、「ティラーソンの発言がトランプ大統領の意向を受けたものなのか見極めなければいけません。
それが確認できない限り、北朝鮮としては動きようがないでしょう」と分析していた。
その後、ホワイトハウスはティラーソン発言を否定したが、15日には、国連安全保障理事会の会合に北朝鮮代表が異例の出席をし、すわ米朝対話へ進むかとも注目された。
しかし、北朝鮮はミサイル・核開発は「自衛のため」と発言し、肝心のティラーソン国務長官は、「対話を始める前に北朝鮮は挑発行為の停止を続ける必要がある」と前言を撤回。“北朝鮮事態”は、あっという間に振りだしに戻ってしまったかのように見える。
このドタバタの後、韓国のある北朝鮮専門家は、「ティラーソン発言がホワイトハウスの意向を受けているものなのかどうかを議論する前に、中露が賛成票に投じたように、韓国政府も歓迎の意志を表明して既成事実化するべきだった」と北朝鮮と対話するチャンスをみすみす逃したと残念がっていた。
金正恩はオバマ再選に自分も一助したと思っている
米国が迷走する中、米誌『フォーリン・ポリシー』は、「北朝鮮がミサイル・核実験を60日間停止すれば、米国との直接対話の道が開けるという約束を米国が破ったと北朝鮮が不満を露わにしている」と報じた(12月13日)。
言われてみれば、北朝鮮は9月15日から11月29日までの2カ月ちょっとの間、ミサイル発射実験を行っていない。
「実は北朝鮮は過去にも米国から約束を破られたと思っている」と韓国の全国紙記者は話す。
「2012年11月、オバマ前米大統領の再選をかけた大統領選の前に、米国から密使が平壌に2度(その年の4月と8月)送られました。
当時はなぜ密使が送られたのか謎でしたが、その目的は、『外交軍事政策を緩和させて米国と関係改善するよう説得し、大統領選挙期間中はミサイル・核実験を行わないよう要請すること』というもので、実際に金正恩はその年の4月に人工衛星と称したミサイル発射実験を行い失敗していましたが、その後は打ち上げていませんでした。
つまり、金正恩はオバマ再選に自分も一助したと思っているのです。
2012年は金日成生誕100周年にあたり、金正恩は4月に続いてさらなる発射実験をするものと見られていた。
結局、人工衛星と称してミサイル発射実験が行われたのは、米国の大統領選が終わった翌月の12月12日だった。
「再選したオバマ前米大統領は、このミサイル発射実験は国連安保理の制裁決議違反としてそれまで以上の強力な制裁決議を推し進めました。金正恩としては再選に協力してやったのに恩を仇で返されたという思いがあると言われています」
しかし、この一連のやりとりから、米国では「金正恩は話せばわかる相手だと見られている」ともいう。
北朝鮮の市場は活気づいている
日本は、ティラーソンの最初の「無条件対話」発言には応じず、安倍首相は「最大限度まで圧力を強める方針に変わりはない」と引き続き強固な態度を堅持した。
しかし、「制裁はもうまったく意味がない」と韓国の北朝鮮経済の専門家はみる。
対北制裁の究極の目的は非核化です。それが達成できなければ制裁する意味はない。北朝鮮経済の確実なデータがありませんが、ここ数年悪くないといわれています。
一般国民の生活の糧となる市場は金正日時代に許されて、金正恩時代にはさらに活用されている。衛星からは市場が把握できますが、その数は400個以上が認められています。
そして、例えば昔100坪程度だった市場が今では500坪くらいと、その規模は膨らんで活気づいている。
金正恩の内政上の目下の悩みは、市場をこのまま放置するかどうかでしょう。
おそらくここ数年のうちに改革開放を決断するか、体制維持のために国民を引き締めるか二者択一を迫られることになる」
そういえば、プーチン露大統領も「北朝鮮は草の根を食べても核は手放さない」と発言している。
また、韓国では韓国銀行が毎年、北朝鮮の経済成長率を発表しているが、2016年は3.9%のプラス成長と発表されてもいる。
昨年から制裁は続いていて、前年はマイナス1.1%の経済成長率だったこともあり、韓国ではなぜ飛躍的にプラスに転じたのかと疑問が広がったが、ある別の北朝鮮専門家は、「北朝鮮がプラス成長だと困るので数字が調整されていたという話です」と苦笑していた。
意外に笑えない話だと私は思うのだが・・・
制裁に効果がないとすれば、残る選択肢は2つ。
対話か、軍事衝突かだ。
米CIAが示したレッドラインの3月が迫っている。
北朝鮮情勢も長期化して早く問題が解決してほしいものです。
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