いずもの多用途空母化は現実的なのか、気になる問題点は?

いずもの多用途空母化は現実的なのか、気になる問題点は?

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いずもの空母化が現実的になってきた

2018年末に「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」の改定を控え、日本はいま、NATO(北大西洋条約機構)並みの「防衛費GDP比2%」を目標として、海外主要国並の軍事力を持つ方向に向かっています。そうしたなか、近年何かと話題に上っている空母保有についても、現実味を帯びてきたという意見が目立ち始めています。
複数の海外防衛メディアも、日本の空母保有の可能性を好意的に見ているものもあります。

「いずも」を空母兼護衛艦の「多用途運用母艦」に

日本の空母保有論は、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも型」の登場により、近年は現実的な可能性として論じられてきました。
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2015年就役の1番艦「いずも」と2017年就役の2番艦「かが」は、広い飛行甲板など空母としても運用できそうな設計から、国内外から事実上の空母と目されています。
実際に、日本政府は改修により空母に転用する可能性を検討してきた。今年5月には、自民党が、「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」の作成に向け、空母保有を提言。最終的には、本格的な「空母」という名称は取り下げ、状況に応じて戦闘機とヘリコプターを積み替える「多用途運用母艦」の導入構想を打ち出しました。
具体的には、米国製の垂直離着陸戦闘機F-35Bと、既に運用している対潜水艦ヘリコプターSH60、あるいはティルトローター式垂直離着陸機V-22オスプレイを積み替えることで、戦闘機の洋上基地としての「空母」の役割と、対潜任務や災害救助を主目的とした「護衛艦」の役割を兼務させるというものです。

そのままではF−35Bは運用できない

新たにF-35Bを搭載する場合、垂直離着陸の際の噴射熱に耐えるため、飛行甲板の耐熱処理が必要となります(現状では、より弱いオスプレイクラスの噴射熱にしか耐えられないということです)。
より短い距離で航空機を発進させるため、中国やロシアの空母が採用している先端が上に反ったスキージャンプ台型甲板への改修も取りざたされていますが、最新の提言では、これは行わないとしています。
これは、技術的な壁に加え、ヘリコプターの運用に支障をきたす可能性があるからです。

遼寧
中国の空母「遼寧」先があがっているのがわかる

そして、航空自衛隊ではF35Aの導入が開始されていますが、まだ実践に投入されていません。パイロットの育成や、改造時の代替の船はどうするのかなど問題は山積みです。

離島防衛やシーレーンの確保のために空母は「理にかなっている」

日本は、第1次世界大戦で世界に先駆けて空母を中心に据えた作戦を展開し、太平洋戦争でも積極的に運用した空母のパイオニアでした。

空母赤城
空母赤城

しかし、言うまでもなく、戦後の平和憲法は「攻撃的兵器」の保有を認めていないため、攻撃力が高い航空戦力を遠くに展開できる空母の導入は見送られていました。そのため、「いずも型」をめぐる空母保有論には常に、空母は「攻撃的兵器」なのか、「防衛的兵器」たり得るのか、という議論がつきまとっています。

そのなかで、アメリカの軍事雑誌の中では、「空母の能力は攻撃的役割に限定されているわけではない」と指摘しています。
「(空母は)味方の水上艦と基地を敵の攻撃から守るために戦闘機を展開できるし、敵の船や潜水艦の位置を把握するために偵察機とヘリコプターを発進させることもできる」と、空母の能力は攻撃だけでなく、防衛任務や偵察にも活用できるとしています。
日本が特に注力する尖閣諸島などの離島防衛には、空母は有効な手段の一つだという考えです。
日本が空母を運用することに関して、間違いなく大東亜戦争に結び付ける、中国や韓国の反発を予想できます。
しかし、「ブラジルなどの他国は、拡張主義とは関係なく空母を運用している。日本のような裕福な島国が、離島を守り、広大な領海をパトロールするのに数隻の空母を運用するのは十分理にかなっている」と、日本の空母保有に理解を示している国もあります。

中国の圧力

米軍事も、中国の脅威が増すなか、特に離島防衛が鍵となる現状では、日本が空母を保有することには一定の妥当性があると見ています。
ただし、日本政府は運用面と財政面の2点において、果たして空母がベストな選択なのか、よく考えるべきだとしている。

運用面では、尖閣諸島に比較的近い無人島などに無人機を配備するという「より安く、人員も必要としない」オプションもあると指摘。ただし、「日本には無人機で制空権を確保する技術はない」とし、その取得に莫大な予算と長い年月を注ぎ込む必要があるとしている。そのため、短期的に見れば空母の方が現実的ではあるが、「20機程度のF-35Bで、数で勝る中国空軍を相手に制空権を維持できるのかという疑問は残る」とも言われています。

「いずも」と「かが」をそれぞれ改修して計20機余りのF-35Bを新規に購入するのに必要な予算は、約40億ドルだと言われている中、安倍政権は、2019年度の防衛予算に約5兆3,000億円要求していますが、その約8%に当たる予算を空母につぎ込めるのか検討が必要なところです。
空母部隊の維持費もかかるし、既に人口減で隊員の確保に四苦八苦している自衛隊が新たな人員を確保できるのかという人材難の問題も実現に向けた大きな障害になりそうです。

中国が新型空母を次々と進水させるなど、海軍力を増強し続けています。
今はまだ、質的に優位に立っていますが、現状だと質も量も叶わなくなる可能性も十分にあります。
動き続ける情勢を見ながら、時節を捉えた判断が必要となりそうですね。「日本は今、決断を迫られている。残された時間は少ない」

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